銀山温泉のペーパークラフト






銀山温泉・羽黒山の旅

山形の旅(1)






山形の旅(1) 銀山温泉


  • 銀山温泉

    風情ある温泉街は数あれど、
    大正ロマンの雰囲気にどっぷりと浸かれる温泉街は、数少ない。
    中でも代表格といっていいのが、銀山温泉である。




    山形新幹線の「大石田」駅から、
    旅館の送迎バスや観光バスで30分ほどの場所。

    銀山温泉は観光地として広くはなく、
    温泉街は一区画に集中している。
    しかし、そこにある殆どすべての建物に
    日本の伝統的な美を感じる風情があり、
    統一感があるため、街を散策していても
    簡単には飽きが来ない。

    ましてや、早朝の朝もやがかかった景色




    昼間の明るい日差しの景色


    そして夜のガス灯で照らされる幻想的な景色と、






    時間によって雰囲気をがらりと変えるため、
    やはり一日かけてじっくりとこの街の
    情緒に浸ってみるのがおすすめになる。
    また、温泉街には車が一切立ち入れないが、
    それがまた良く、
    いかに街の雰囲気を壊さないことが大事
    かということがよくわかる。



    この街のシンボルとなっているのが、
    国の有形文化財にも指定されている老舗旅館、「能登屋」。
    木造三階建てに二階の望楼が付いた、その威風堂々とした姿は、
    銀山温泉の風格そのものを体現しているといっても過言ではない。





    銀山温泉にはその名のとおり、
    銀鉱山があり、最盛期には大変栄えたようだが、
    鉱山として廃山になったのは1689年と、かなり昔のことである。
    当時は山間部の僻地であったから、銀鉱山という主力産業を失ってからは
    殆ど日の目をあびることはなかった。
    大正時代までは、かやぶき屋根の平屋が並ぶ温泉宿が
    細々と続けられていたが、大正2年銀山川の大洪水で
    殆どの温泉宿が壊滅状態となり、さらにその後は温泉の湧出量が減り、
    河川の侵入により温泉の温度が下がり、と、温泉街にとって
    痛手となることが続いた。

    (当時の銀採掘跡が残る、銀鉱洞へと続く道。GW期間中では
    雪解け水が多く、銀鉱洞まで行くことはできなかった。)



    そんな中でも水力発電所を作り、源泉のボーリングを行い、
    再び温泉街として再起していった。流されたかやぶきの平屋に代わって
    新しく街並みが作られたが、昭和初期頃にはいまよりも洋風の建物が多かったそうだ。
    (ちなみに能登屋の建物は大正10年に完成し、当初から和風だった。)
    戦後、建物の和風化が進められて、いまの街並みが作られていった。
    その後、モータリゼーションで銀山温泉へのアクセスが容易になり、
    また「おしん」などのTVを介して知名度が高まることで、
    一大温泉街となった。それでもいまの銀山温泉には、
    昔の素朴な温泉街だったころの風情がどこからか感じられ、
    訪れた人はどこか郷愁を誘われるのだろう。




  • 羽黒山

    羽黒山の観光は、山頂まで車で行けることから
    登りと下りのコースの2パターンがある。

    下りコースであれば、羽黒山は鶴岡駅前から
    バスで「羽黒山頂」まで50分ほど。
    五重塔からの登りコースであれば、「随神門」まで35分ほど。
    バスの本数は1時間に一本ほどと多くはなく、また鉄道からの
    乗り継ぎもあまりよくなかったりするが、
    2015年GW中でもバスは混雑することなく乗れた。

    登りコースであれば「随神門」から五重塔はすぐで、
    そこから本格的な石段の山場が待っている。



    一の坂、二の坂、三の坂と続く
    2446段の石段は起伏に富んでいて、
    頂上に着くころにはへとへとになっている分、山頂の
    三神合祭殿や鏡池の景観に感動を覚えることだろう。



    下りコースであれば「羽黒山頂」からまったく疲れ知らずの
    状態で御本殿を拝むことができるが、
    その分ありがたみが薄れてしまうように感じられる。
    しかしながら、下りといえど延々と続く石段の足への負担は
    相当なもの。





    私はAMに羽黒山を訪れ、PMには鶴岡の建物巡りを予定していた
    ため、下りコースを急ぎ足の1時間ほどで歩きとおし、
    随神門まで行き帰路のバスに乗ったが、
    五重塔に着いたころには足がいまにも震えだしそうな状態だった。
    しかしその分、うず高い杉並木の間から、ふと五重塔が
    姿を覗かせたときに覚える感動は、下りコースの方が大きいであろう。



    樹齢千年の巨大な杉の木に隣接する国宝、五重塔は
    いまから千年以上前の931年に創建され、現在のものは
    1372年に再建されたもののようだが、それでも
    恐ろしく長い歳月が刻まれた、創玄な建築である。



    ここまで周囲の自然と調和した建物というのは、
    そうそう見ることができるものではない。



    数百年という気の遠くなる歳月の間、そこにあり続けた故か、
    あたかも建築そのものが自然と一体化しているかのようであり、
    神秘性を感じる光景なのである。
    この五重塔の姿を見るだけでも、ここ羽黒山を訪れる価値は十分にある。


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