餅商一ツ橋のペーパークラフトを作成しました。

昔町の旅

奈良 五條・今井町


古の都 奈良には

江戸時代初期からの建物が

当たり前のように残っている。

それらは強く自己主張はしない。

大きいもの、豪華なものが全てではない。

むしろ、限られた空間の中で

誇ることのできる

質素な意匠こそが、

昔町で最も映えるようだ。





     五條新町(奈良・五條)

     今井町


関連リンク
     室生寺・奈良市内



  • 良県五條市、五條新町。



    奈良方面から桜井線に乗り、
    高田駅から和歌山線に乗り換えると
    間もなく到着する。
    五条駅まもなく右手の商店街を進み、
    大通りを抜けてもさらに商店街を
    進んで坂を下り、右手に進むと
    新町へとたどり着く。



    吉野川に沿って成るこの通りは、大阪と紀伊を結ぶ
    水陸交通の要所として栄えていた。


  • 栗山家住宅


    現在でも旅籠や商家だった家屋が多く現存しており、
    その中でも特筆すべきは、
    慶弔十二年、1607年に建築されたと記録に残る、
    (年代の明らかな民家の中で)日本最古の民家が
    現在も残っていることだ。
    400年も昔の木造建築が風格ある姿で
    現存しているというのは、驚くべきことである。

    この栗山家住宅、いまも住民の方が住んでおり、内部は非公開である。
    あるテレビ番組を見て内装も拝見したが、驚くほど高い天井を
    立派な木材が支えており、堅牢な造りだった。
    また、よく手入れされた屋内は、住人の方がいかに
    大事にしてきたか(また、その維持の苦労が)伝わってきた。





    完全に観光を目的とした施設は少なく、
    古い家屋が並ぶ中に、人々の生活感がある。
    その空気が、ならまちなどとは大きく異なる。


  • 餅商一ツ橋



    そして、もっとも五條らしい風景として
    写るのが、「餅商一ツ橋」である。
    取り立てて立派な家屋でもない商家ではあるが、
    ひときわ目立つ看板の存在が抜群に良く、
    また店頭に並ぶ饅頭がなんとも絵になる。



    この看板は創業当時のもので、黒色はペンキ塗装
    ではなく、コールタールを使用しているそうだ。
    大正時代から続くお店では
    いまも昔ながらの饅頭や餅が売られ、
    1個70〜80円の安さで美味しいため、
    早い時間に直ぐに売り切れてしまうことも。

  • 小運河

    この界隈の一角に小さな運河が流れていて、
    そこがまた風情な旅情を生み出している。



    ガイドブックなどには紹介されていないが、
    この運河沿いの脇道を入ると
    酒屋の裏手に回る。
    運河沿いに昔町が並ぶ姿は、さしずめ小さな
    伏見の町のような景観。



    足早に五條を巡っては絶対に
    気付かないような場所だが、
    ここを見逃してしまうのは惜しい。



  • 今井町

    近鉄「八木西口」か桜井線「畝傍(うねび)」駅から
    アクセスできる。



    今井町にはいまも広域にわたって、
    碁盤目状の昔町が残る。



    大阪や堺といった大都市圏との物流の
    中心地となっていた時代、
    「大和の金は今井に七分」といわれるほど繁栄した。

    現在も、町年寄や豪商の住居や店舗だった邸宅が
    重要文化財として数多く残る。



    称念寺を境にまるまる一区画の昔町すべてが
    見所となり、隅々まで見て周るには相当の時間がかかる。

  • 称念寺


    1530〜50年代に、この地に一向宗本願寺の
    今井兵部卿豊寿により称念寺を中心に寺内町が
    建設されたことで、今井町の歴史が始まる。
    その後、自衛のために堀を設け、城塞都市となったが、
    戦国時代に織田信長に降伏すると、自治権が認められて
    前述のように商業都市として発展するようになった。
    また、その自治により町の安全衛生や道徳まで
    戒律したことによって、火災なども防ぎ
    古来からの街並みが守られることとなった。



    正直なところ、撮った写真を見返しても
    どこで撮ったものかよくわからなくなる。
    それだけ、この界隈は迷路のようでもある。
    ただ、あちこちの景色が印象として焼きついている。







    瓦、窓、格子、紋様、装飾、
    この建物はここの意匠がすごかったなど、
    発見した箇所も挙げればきりがない。
    町家めぐりは小さな意匠に目を向けると、格段に楽しくなる。



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