モスクワの旅

                    スターリンによる強圧的な独裁体制、その後の冷戦時代。
                    旧ソ連に抱くイメージには、物物しさが付きまとう。

                      1991年末にソ連が解体され政治・経済の劇的な変動を呈した90年代。
                    血の惨劇、社会主義から資本主義への転換の混乱、
                    近年のロシアの姿には、まだネガティブな印象を抱くことも拭いきれない。

                    しかし、それは既に過去の話。
                    1999年以降、ロシア経済は飛躍的な発展を遂げてきている。
                    まだビザやバウチャーといった制度が自由旅行を拒んでいる面もあるものの、
                    対外に向けた観光化も進み始め、確実に開かれた文化の都になりつつある。
                    そしてそこには、西洋とも東洋ともいえない、独自の神秘性を有した
                    文化と歴史が根付いている。




モスクワ 赤の広場・クレムリン周辺
  • モスクワ中心部まで
      ・救世主キリスト聖堂
      ・モスクワ川の眺望
      ・プーシキン美術館

  • クレムリン
      ・サボールナヤ広場から観た聖堂群
      ・大砲とパトリアーシェ宮殿
      ・ウスペンスキー大聖堂
      ・鐘の皇帝

  • 赤の広場
      ・赤の広場
      ・聖ワシリー聖堂(ポクロフスキー聖堂)
      ・レーニン廊


  • モスクワの移動には、地下鉄が便利。
    料金も格安な上、地下宮殿と呼ばれるほど
    美しく装飾の凝ったホームが迎え入れてくれる。
    料金は2006年10月現在で
    1回券が15ルーブル(日本円で約70円)
    5回券が70ルーブル。
    カッサ(切符売り場)で
    「アヂン」(1回)や「ピャーチ」(5回)と言えばOK。

  • 私は今回、クロポトキンスカヤ駅を下車後、(地図Bの付近)
    救世主キリスト聖堂やプーシキン美術館を経由して、
    徒歩でクレムリンまで歩いた。


  • 救世主キリスト聖堂
    ナポレオン防衛戦争の勝利と慰霊を込めて1883年に
    完成したが、わずか50年あまり後、宗教弾圧の対象になり、
    スターリンにより爆破されてしまった。
    一見すると歴史の重みを感じさせられるような巨大な聖堂だが、
    実は2000年に再建された、築からいうと真新しい聖堂。
    それでもモスクワ川沿いに凛と聳える姿は趣き深い。


  • ・モスクワ川の眺望
    キリスト聖堂から連なる橋から。
    ここからはクレムリンの姿がよく見える。


    ・プーシキン美術館
    言わずと知れたロシアを代表する美術館。
    私が訪れた正午の休日には、待ち時間は一時間を越える
    長打の列が。
    ちょうど、レンブラントの企画展がやっていた。
    ちなみに2006年現在は、印象派の展示はここではなく、
    道路を挟んでお隣の個人コレクション邸で行われていることに注意。

    プーシキン美術館から歩いてほどなくすると、
    いよいよクレムリンの端に到達する。
    しかし、ここから赤の広場まではまだかなりの距離が。
    クレムリンのとてつもない広さを実感する。





  • 赤の広場と並ぶ、モスクワを代表する場所のひとつ。
    ロシアの歴史が詰まった政治・文化・宗教の中心地。

    クレムリンには、カバンやリュックなど大きい荷物を
    持ち込むことはできない。
    先ず、クタフィア塔(地図Cの付近)の階段を降りた裏手にある
    荷物預かり所で荷物を預けた後、
    トロイツカヤ塔の入り口から入った。


  • サボールナヤ広場から観た聖堂群(地図D)
    建築的に一番観たかった、写真右手のブラゴヴェシチェンスキー聖堂は
    あいにく大改装中だった。

    その手前、写真左手に見えるのがアルハンゲルスキー聖堂。
    イワン4世治世時、オプリチニクと呼ばれる彼直属の親衛隊により、
    国家崩壊を招きかねないほどの蛮行が続けられたため、
    その結果グローズヌイ(恐ろしい、雷)との称号(?)を得た
    あのイワン雷帝の棺は、ここに置かれている。


  • 大砲とパトリアーシェ宮殿
    16世紀に作られた890mm口径の巨大な大砲は、未使用品らしい。
    その後ろにはロシア正教の総主教の宮殿が。



  • ウスペンスキー大聖堂
    かつてのロシア帝国の国教大聖堂。内部の広い空間は
    一面がイコンとフレスコ画で埋め尽くされ、
    異彩を漂わせる神秘的な空間になっている。
    また、イワン雷帝の王座なども置かれていた。


  • 鐘の皇帝
    高さ6m、重さ200トンという、とんでもなく大きな鐘。
    どうやら世界最大らしい。
    写真で見ると大きさがわかりづらいが、
    割れたかけらが大体、人の身長ぐらいと思っていい。
    これも大砲と同様、一度も使われたことがないという。


  • 赤の広場
    旧ソ連時代、革命記念日のパレードがここで行われ、
    社会主義の舞台となった、言わずと知れた場所。
    しかし、「赤」とは社会主義を指すものではない。
    「赤」とは古代スラブ語で、「美しい」を意味する。
    その開けた石畳の広場は四方を歴史的建築物に囲まれ、
    ぐるぐると何周も見渡してしまう。



  • 聖ワシリー聖堂(ポクロフスキー聖堂)
    ロシアの特徴的な建築物の中でも、代表的な建築物。
    カラフルな玉ねぎ形が個性を際立たせ、異彩を放つ。
    16世紀、イワン雷帝の命により建てられた。
    この建物を見たイワン雷帝は、あまりの美しさに驚き、
    二度とこのように美しい建物が作れないように、
    設計技師の目玉をくり貫いてしまったという、有名な逸話がある。

    つくづく不思議なカタチをした建築物。
    思わず見入ってしまう。


  • レーニン廊
    レーニンが永久保存される場所。
    ソ連崩壊後から、この場所の持つ意味は大きく変わってしまったことだろう。
    この場所の廃止も検討されたらしい。
    しかし、これがあるからこそ、この場所に歴史の重みをより実感できる。



Welcome
AMFF by TAK
画像の無断転載・複製はご遠慮ください。

inserted by FC2 system