名古屋近郊の昔町

を巡る






名古屋近郊の昔町を巡る旅


  • 名古屋近郊の昔町


    名古屋駅から電車で程なく行ける近郊には、
    都会とは思えない風情を残す区画が残っている。
    名古屋は戦時中、大空襲により壊滅的な被害を受けているが、
    そんな戦火を潜り抜けて、奇跡的に残った町並みがある。


  • 有松

    名古屋から電車で20分ほど、
    名鉄有松駅から徒歩すぐという好立地にある、昔町。



    名古屋近郊の穴場の観光地として真っ先に挙げたいのは、この有松となる。
    有松は、関東地方でいうと川越にも匹敵するような規模で、
    江戸情緒あふれる町並みがひっそりと残っている。



    東海道の宿場町ではあるが、東海道五十三次の鳴海と池鯉鮒宿の間にある
    間宿(あいのしゅく)にあたり、
    いまでいう道の駅のような役割をした場所で、宿泊施設ではなかった、
    ということを地元の方が教えてくださった。

    ここでは美濃のようなうだつの上がる商家も気軽に見ることができる。



    有松も戦時、空襲を逃れた地区だが、その背景には捕虜収容所があったことが
    関係しているようだ。
    桶狭間の古戦場も近い、歴史的にも由緒ある街並みが
    こうしていまに残っているのも、奇跡的なことに感じられる。


  • 四間道

    四間道(しけみち)は、
    名古屋駅から徒歩10〜15分ほどの都会の一角にある、不思議な空間である。
    江戸情緒が残る蔵や格子の建物が所々に連なるが、
    全体的にレトロな風情が街の一面に残っている。



    信長の時代に発展した清州が政治や地形上の問題から凋落し、
    清州から名古屋への都市機能が移転されたことを「清州越し」と呼ぶらしいが、
    四間道は清州から越してきた商人たちにより作られてきた町並みとなる。
    江戸時代の大火の際に町は焼失してしまうが、
    それを教訓に道幅を4間(現在で約7m)広げたことが、町名の由来となっている。



    また、昔町のみにとどまらず、四間道に続く円頓寺商店街も
    独特なレトロな空間を残していて、散策すると楽しめる。
    このアーケードは2015年の改装されたが、シックでレトロな
    雰囲気をより強調するようなユニークな改装がなされているため、
    訪れた際は新鮮な印象を受けた。



    四間道では、古い建物を改修した飲食店が多く、
    夜のディナーなどで訪れても楽しめる場所となっている。


  • 中村遊郭

    中村日赤駅から徒歩間もなく。
    中村は、かつては名古屋最大の遊郭だった。
    戦前は大変賑わい、「貸座敷は百三十九軒あつて娼妓は千六百五十人居る。」といった
    時代もあったようだ。
    いまでもその形跡が残っていて、興味深い形状のかつての遊郭の建物が
    幾つも残っている。




    遊郭らしいベンガラの建物、格子のあるかつての妓楼、
    いまは違う用途で使われる建物だが、在りし日の姿を想像せずにはいられない。
    また、吉原のように遊郭の区画跡が明確に残っているため、
    歩いていて地形的にも面白い。
    町の随所から、かつての栄華の面影を微かに感じ取ることができる。




    こんな景観も、名古屋都心部からわずかの距離にあるため、
    つくづく名古屋という場所は、(いい意味で)混濁としたところだと思う。


  • 白壁

    名鉄東大手駅から徒歩間もなく。
    名古屋城下の武家屋敷、白壁一帯も、奇跡的に戦火を免れた一区画である。
    明治以降は財界人の邸宅が立ち並び、現在もその名残が多分に残っている。

    見学できる施設が随所にあり、どれも豪邸ばかり。
    それぞれの施設の詳解は割愛するが、一見の価値がある建物があちこちにある。

    純和風の建築よりも洋館が見たいという方には、白壁を推薦したい。



    二葉館は和洋折衷の美しい建築。



    文化のみち橦木館は、洋館と和館が併設され、庭園には茶室もある。
    ゆっくりと寛ぎたくなるような空間。




    名古屋はただの大都市ではなく、
    様々な歴史の断片を垣間見させてくれる、混濁としながらも面白い都市だ。
    ターミナルとして通過するときにも、ちょっとした時間を作って訪れてみることをお勧めしたい。




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