シエナには、フィレンツェからバスで1時間半ほどかけて行くことができる。
フィレンツェ発着のバス乗り場は駅から少し離れたSITAのバスターミナルに
あるため、事前に乗り場を把握していくことが望ましい。
扇状に広がるカンポ広場。
中世そのままの姿で残る広場の中では
ヨーロッパで最大であり、傾斜のついたその独特の空間は
思わずどの角度からも眺めてみたくなる。
シエナのドォーモ
フィレンツェのドゥオモなどと比べるとスケールの大きい聖堂ではないが、
外装も内装も尋常ではない凝りようで、ストライプのデザインも他の教会に
類を見ないほどに美しい。
この聖堂でもフィレンツェの存在は多分に意識され、
聖堂を最大級のものに拡張する計画があった。
しかし、先に述べた黒死病の影響などにより財政難に陥り、
計画は頓挫された。
内装の美しさにも息を呑む。
2世紀にわたって総勢40名もの芸術家たちが緻密に制作した
大理石のパネルもしかり、構成要素の全てが芸術品で成り立っている。
カンポ広場に建つマンジャの塔からはシエナが一望できる。
黄土色の街。それはフィレンツェよりも素朴で原風景的であり、
それが中世の街並みをそのままいまに残すシエナの魅力でもある。
土地に根付く色と都市が融和された景観からは、
人の生命力とでもいうべき温かみが感じられる。
それは、コンクリートで埋め尽くされた現代都市からは感じ取ることのできない、
本能的な懐かしさを覚えるからなのかもしれない。
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