ショップを開設しました。ペーパークラフトを販売しています。
東急ハンズWEBショップ「Hands Gallery Market」でもオリジナル・ペーパークラフトを取り扱い中
南相馬市の
ペーパークラフト
その2
/旅とクラフト
主に、旅先で手に入れた、旅先ゆかりの模型などを紹介します。
また、街並みや景観を再現したペーパークラフトを制作、公開します。
南相馬市のペーパークラフト
高島家蔵/大谷家住宅
昨年度
に引き続き、2017年も、
南相馬市博物館様から南相馬市に残る歴史的な建物の
ペーパークラフトを制作するお話しをいただきました。
南相馬市では、震災により多くの建物が解体されてしまうという危機感があったことから、
本格的な建造物の分布調査が行われています。
震災により貴重な建物が失われてしまったという反面、
調査によりこれまであまり意識されていなかった歴史ある個性的な建物が
専門家の目を通して再評価される、という良い機運も生まれています。
今回お話しをいただいた建物も、その活動により再評価され、
いずれも2016〜2017年の間に
国の登録有形文化財になった、歴史ある建物です。
高島家蔵
高島家のある小高区は2016年7月12日に、長きにわたる避難指示区域の指定が解除されました。
そして今年の7月に入り、嬉しいニュースがありました。
高島家住宅が、避難区域が設定された地域にある建造物として
震災後、初めて国の登録有形文化財になることが決まりました(2017年8月現在、答申済)。
私はその時、ペーパークラフトづくりに着手していたので、
朗報を教えていただき大変喜びました。
写真は南相馬市博物館よりご提供いただきました。
この建物は、小高区上町にある、昭和初期に建てられたコンクリート蔵です。
はじめてこの建物の写真を見たときは、ほかに類を見ない形状、
そして細部に凝った意匠をしていて、魅了されました。
写真は南相馬市博物館よりご提供いただきました。
王冠を被ったような、もしくは城塞の一角かのような外観。
細部の装飾にも意匠が貫かれ、実業家としてこの建物を建てた
高島家の初代の方と、当時の職人方の並みならぬこだわりを感じます。
写真は南相馬市博物館よりご提供いただきました。
建物は被災によるダメージを受けながらも、避難地域となったため
修繕はできず、2016年にようやく修復へと至りました。
蔵以外にも煉瓦の塀や和風建築の隠居もあり、そのどちらも歴史的なものですが、
煉瓦塀は修繕され、残念ながら隣接する隠居は取り壊されました。
高島家住宅には、常磐線「小高駅」から徒歩15分ほどでアクセスが可能です。
ペーパークラフトはこんな感じになりました。
王冠部分のパーツはちょっとカットするのが大変ですが、
より忠実な雰囲気が出せたのではないかと思います。
大谷(おおがい)家住宅
南相馬市鹿島区にあり、こちらも昨年に国の登録有形文化財になり、
近年にやっとその価値が公認された建物になります。
相双地方では、昨年ペーパークラフトを手掛けさせていただいた
朝日座
に次いで2件目の登録ということです。
写真は南相馬市博物館よりご提供いただきました。
大谷家住宅は浜街道と奥州街道を結ぶ「塩の道」沿いに南面し、
ここはかつて物流の拠点となっていました。
「塩の道」では、相馬産の塩が二本松や会津方面に運ばれました。
写真は南相馬市博物館よりご提供いただきました。
こちらの建物も震災により壁の崩落などの被害がありました。
なまこ壁、壁面の凝った装飾からも、当時の繁栄ぶりが伺えます。
重厚な作りの蔵が門を挟み立ち並ぶ姿は壮観で、他に類をみない景観をしています。
写真は南相馬市博物館よりご提供いただきました。
この蔵の壁面に黒い塗料が残っているのは、戦時に空襲を避けるため、
黒く塗りつぶしたということを教えていただきました。
大谷家は常磐線「鹿島駅」が最寄りになりますが、車がないと
アクセスするのはちょっと厳しい距離にあります。
それでも、ぜひ実際に訪れてみたくなる建物です。
ペーパークラフトはこんな感じになりました。
重厚感ある独特な雰囲気が伝わればいいと思いながら作りました。
写真ではわかりませんが、屋根の裏面もちゃんと再現してます。
大谷家住宅、高島家蔵、
どちらも意匠の入った個性的な名建築で、
これからも地域の人々のシンボルとして、心の拠り所になるような
場所としてあり続けてほしいと思います。
なお、これらのペーパークラフトは、
今後、
南相馬市博物館
のイベントなどで配布いただけるようです。
(「旅とクラフト」では販売はいたしておりません。)
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