ピョートル大帝がネヴァ川沿岸に築いた冬宮を礎に、 歴代皇帝たちが増改築を重ねた。 エカテリーナ二世が225点の絵画を購入したことから 美術館としての機能が始まり、 その後の皇帝によってコレクションは膨らんだ。 しかし、専制的な皇帝ニコライ一世が独断で作品を売却してしまったり、 第二次世界大戦前後にも作品が流出するという悲運に見舞われた。 そんな紆余曲折を経て、エルミタージュは現在の姿に至った。
「カーテンのある静物」 デフォルメされた静物。日本人にとっては漫画的に見えるかもしれない。 ・アンリ・ルソー 40代の後半から画家を志したという遅咲きで独特な画家の作品。 彼は遠近法を無視し、主題を大きく描くという子供のような視野で絵を描いた。 そんな彼の作品が初めて日の目を浴びるきっかけとなったのが、 ピカソが偶然に彼の作品を見出したことだった。 この絵のように、自然をテーマにした晩年期から、 ようやく世間に認められるようになったらしい。
ゴーギャンを理解するためには、タヒチ紀行「ノアノア」などに目を通す必要があることを、 彼自身も認めている。タヒチに残るオセアニアの宗教には、輪廻の思想があり、 その背景にはバラモン教の布教があったのではないかと言われている。 その意味で、ヒンドゥーや仏教と根幹が一致しているため、 我々が彼の絵を眺める時、思想の上でも東洋を感じる理由になりうる。
・マティス